招かれざる客 [イラク]
ずらりと並んでいるのはすべて防弾車です。
ここは、バグダッド市内某所にある警備会社のコンパウンド。
私はこの中にあるゲストルームに滞在しています。
奥の並びがそのゲストルーム。窓の下のブロック台の上に土嚢が積まれています。
屋根は二重構造になっていて、その間に土嚢が積まれ、ロケット弾や迫撃弾が上部屋根に着弾して爆発した際に衝撃を和らげるようになっています・・・。っていうか、径の大きなものは貫通するそうですが・・・。
イラクやアフガンなど、テロの危険性がある場所では、民間の警備会社が多くあり、民間人の警護を請け負っています。警備員はもちろんみな重武装です。腕が私の太ももくらい会って、入れ墨がまぶしい・・・。警備費もお高くて、空港の送迎だけで３０万円くらいかかります（安い方）。１日市内（レッドゾーンと呼ばれる危険地域）を移動するには100万円かかるケースもざらにあります。
そして、最近、イラク軍関係者の間でこうした民間の警備会社（武装集団）を排除しようとする動きがあるそうです。
昨深夜、某企業が入っている同じようなコンパウンドがイラクの治安部隊に包囲され、突然なだれ込んできた部隊が各部屋のドアを蹴破って入り込み，「違法武器の捜索」と称して荷物を全て開け散らかして行ったそうです。その間，中にいた人は小銃を突きつけられ、床にうつぶせに寝せられ，警備会社の「兵隊」は連行されていったそうです。
少しでも抵抗すれば容赦なく撃たれたような状況であったそうで、先ほど当所の関係者から招集がかかり、
「ここでもいつ同じ事が起こるかわからないので、その場合はとにかく無抵抗で、「日本人（ヤバーン）」と言ってください、との指示を受けました。
一応，机の上にパスポートも出しておきました。
といいながら、部屋でワイン飲んでいるんですが・・・。
さきほどバーにワインを買いに行ったのですが、誰もいませんでした。構内もひっそり・・。
どうか、不意のお客さん来ませんように・・・。
